研究内容
研究課題 1 QM/MM法による分光解析・反応機構解明
酵素反応やプロトン移動など、生体中の化学反応を理解する為には、化学結合の解離と生成を記述する必要があります。私達は、分子の電子状態を考慮した量子化学(QM)計算と古典的分子力場(MM)のハイブリッドであるQM/MM法を開発しています。QM/MM計算に基づく反応経路探索により反応機構を解明します。また、振動分光、UV/Visなどのスペクトルを計算し、実験と共同研究を行っています。細胞内における酵素反応の反応機構を理解することを目指しています。
研究課題 2 実験データ駆動によるタンパク質の構造・ダイナミクス解析
近年、タンパク質の構造やダイナミクスを解析する実験手法として、X線結晶構造解析やNMRだけでなく、クライオ電顕や高速AFM、一分子FRETなどの様々な手法が開発され、実験データの解像度の向上により、MD計算との比較が可能になりつつあります。私たちは、実験データ解析とMDシミュレーションを融合することにより、タンパク質の動態および機能をより正確に理解することを目指しています。
研究課題 3 細胞環境が生体分子機能に与える影響の解明
細胞は70%が水から構成されていますが、実際にはタンパク質や核酸などの生体高分子が高密度に詰まった分子混雑環境です。そのような環境中で、蛋白質のネットワーク形成や酵素反応がどのように起こっているのか、その仕組みはまだよく分かっていません。我々は、スーパーコンピュータを用いた大規模MD計算と、In-cell NMR等の実験グループとの連携により、細胞内分子混雑の生物物理学的理解を目指しています。
ギャラリー
研究成果を動画・静止画それぞれで紹介します。
研究設備
当研究室の設備を紹介します。